弘中泰雅著  モノと人の流れを改善し生産性を向上させる! 食品工場の工程管理



日刊工業新聞社 2100円(税込)
全国有力書店、ネット書店で発売中






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                                      佐賀大学図書館推薦図書

 食品製造業の中でも素材型設備型の食品製造業の生産性は、製造業平均の2倍以上あるにも関わらず、食品製造工場の大半を占める加工型労働集約型の食品工場の生産性は、製造業平均のほぼ半分しかありません。そのため日本の食品製造業の生産性は、残念ながら製造業全体の60%しかないのが実状です。
 この様な現実を何とか改善し、食品工場の生産性を向上させたいとの思いで、「食品工場の生産性は何故低いか、どうすれば食品工場の生産性は向上できるか」をテーマに、『ムダをなくして利益を生み出す食品工場の生産管理』を著したところ、予想を上回る評価を頂き、短期間に増刷に至った上に、日本生産管理学会賞受賞と言う望外の栄誉を授かりました。  
 しかし食品工場の生産性向上という大きな目標からすれば、まだまだ前著は十分ではなく、食品工場の生産性を向上するために、その考え方や知識やノウハウをお伝えする必要がもっともっと有ると考えています。「どうすれば生産性は向上できるか」の具体的方法論について書いた本書は、その意味で前著「食品工場の生産管理」の続編の様なものです。
 食品工場の生産性は何故低いのでしょうか。著者は、最大の原因は「どの様に生産性を向上させるか」、食品工場に生産性向上に関する知識が足りない事に尽きるのではないかと考えています。何故なら残念な事に、食品製造業は第2次大戦後の、製造業の生産性改善運動の大きなうねりから取り残された上に、企業系列化が産業構造的に形成されなかったために、大企業から中小企業への生産効率に関する技術的ノウハウの供与がほとんどなかった上に、閉鎖的な国内市場のみを対象としてきたので、生産性向上に対する知識や意識形成が出来ないままになったのです。食品製造業ではこの様なことから、低生産性の状態が現在でも続いているのではないでしょうか。
 また食品工場の皆さんと接する際に、皆さんの保守的で変化を拒む言動や行動に遭遇します。食品工場の皆さんには、自ら先頭にたって改革改善を行なおうという意識が、他産業に比べて低いように感じます。残念ながら経営者から管理職・一般社員に至るまで、一般的にその傾向があります。誰も昨日と同じ明日が来ることは心地良いのですが、食品製造業を取り囲む昨今の経済環境はそれを許しません。自己改革を怠った者は、市場から消えていくしかないのです。
 生産性を向上するためには、生産管理の根幹であり最も重要な食品工場に於ける生産工程・ジョブの流れを管理する工程管理について、食品製造業は一層の学習の必要を感じています。工程とは物を作る作業の段階順序の事ですから、生産を行う上で生産の流れを円滑に管理する工程管理こそ、生産性向上の為に最も重要な管理だと考えるからです。
 生産の流れを管理するには、部分的に単に作業改善するだけでは、円滑な流れを実現することは出来ません。生産効率を上げるには流れ全体の適切な管理が必要です。何故なら生産の流れは川の流れに似て、流れの局所だけを改善しても、全体の円滑な流れに成らないからです。
 奇しくも生産することを、○○(例えば品名)を流すという表現をする様に、円滑な生産活動は流路(生産工程)全体の、物や人の円滑な流れによって実現されます。この様な考えから、食品工場に於ける生産の流れであり、生産性向上の中核である工程管理とその関連の事柄について、「食品工場の工程管理」と題して著したのが本書です。
 これまで食品工場の工程管理に関する書は少なく、類書は初歩的なものか、MRP開発のためのプログラマー・SE向けのリソースの所要量計算など理論的なものが多く、自動車などの組立産業用の生産管理書を流用せざるを得なかったことは残念ながら現実です。
 プロセス型の食品工場の工程管理のやり方は、自動車や電機などの組立型工場とかなり異なるため、食品工場の生産現場に於いて実践的に生産性向上に取り組まれている読者には、プロセス型生産*向けではない、これまでの書物に違和感をお持ちの方も少なくないはずです。
 生産性の向上には、流れである工程の仕組みの改革が必要であり、職場内の局所改善はもちろん必要ですが、局所改善だけに留まっていては、生産性向上という大きな目的を達し得ないことになります。上述のように、生産性向上には原材料から製品への円滑な流れが必要だからです。そのため工程全体の流れ(処理速度)の調和を目指さねばなりません。即ち効率的な生産は円滑な生産活動の流れであり、それを支える仕組みによって成し遂げられるからです。
 このような生産における流れを確立する仕組みとして、本書では食品工場における、生産向上の手法としての工程管理を中心に、ライン生産、経営工学(IE)や、生産に付随するマテハン(運搬管理)等について述べていきます。皆さんがこの本を積極的に活用され、この本が食品工場の生産性向上に些かでも貢献し、日本の食品製造業の生産性が向上することは著者の真の喜びです。

                                        (はしがきより)

 出版元の日刊工業新聞社の特約書店   アマゾン  アマゾンブックレビュー 
   日刊工業新聞ネットショップ
    食品工場の品質管理     日本生産学会賞受賞 食品工場の生産管理       よくわかる「異常管理」の本

*書店によって、経営管理、経営工学、生産管理などの棚と、食品衛生、食品の品質管理、食品化学などの棚に並べられることがあるようです。

書評&新刊書紹介 
  魚水 第58号
 モノの流れを改善し生産性を向上させる!
              食品工場の工程管理       弘中泰雅(49S・51M)

 食品工場の生産性は何故低いのか?最大の原因は「どの様に生産性を向上させれば良いのか?」という知識が足りないことに尽きるのではないでしょうか。生産性の向上には、流れである工程の改革が必要であり、職場内の局所改善はもちろん必要ですが、局所改善だけに留まっていては、生産性向上という大きな目標を達し得ません。生産性向上には原材料から製品への円滑な流れが必要だからです。その為工程全体の流れ(処理速度)の調和を目指さねばなりません。即ち効率的な生産とは円滑な生産活動の流れであり、それを支える仕組みによって成し遂げられるからです。この様な生産における流れを確立する仕組みとして、本書では、食品工場における生産性向上の手法としての工程管理を中心に、生産計画、生産統制の手法、流れ作業・ライン生産、マテリアルマネジメント等も述べています。生産性向上に役立つ食品工場における多くの事例も掲載しています。
                    日刊工業新聞社 2013年7月25日 A5判 212ページ 定価(本体2000円+税) 全国有力書店、ネット書店で発売中

 食品工業 光琳 平成25年9月15日発行
モノと人の流れを改善し生産性を向上させる!食品工場の工程管理 著:弘中泰雅

 『食品工場の生産管理』 『食品工場の品質管理』に続く、著者の食品工場シリーズの第3弾。今回は「工程管理」を取り上げる。食品工場の生産性は何故低いのか? 著者は、最大の原因は「どのように生産性を向上させたらいいのか?」という知識が食品工場には足りないことに尽きるのではないかと考えている。
 生産性を向上するためには、生産管理の根幹であり最も重要な食品工場における生産工程・ジョブの流れを管理する工程管理について、一層学習する必要を感じているという。工程とは物を作る作業の段階順序のことだから、生産を行う上で生産の流れを円滑に管理する工程管理こそ、生産性向上の為に最も重要な管理だと考えるからだ。
 生産の流れを管理するには、部分的に単に作業改善するだけでは、円滑な流れを実現することはできない。生産効率を上げるには流れ全体の適切な管理が必要だ。何故なら生産の流れは川の流れに似て、流れの局所だけを改善しても、全体の円滑な流れにならないからだ。
 奇しくも生産することを、○○(例えば品名)を流すという表現をするように、円滑な生産活動は流路(生産工程)全体の、モノと人の円滑な流れによって実現される。このような考えから、食品工場における生産の流れであり、生産性向上の中核である工程管理とその関連の事柄について、「食品工場の工程管理」と題して表したのが本書だ。
 (日刊工業新聞社 定価:本体2000円+税)

 ブランスリー 2013年 9月号
食品工場の工程管理の本を出版 日刊工業新聞社
 
 日刊工業新聞社刊。「モノと人の流れを改善し生産性を向上させる!食品工場の工程管理」。著者は、生産管理ソフト開発のテクノバ、弘中泰雅社長。2013年7月25日発行。税込2100円。
 円滑な生産活動は、生産工程全体のモノと人の円滑な流れによって実現されるという観点から、原材料から製品にいたる食品工場の生産工程の管理と、ライン生産、経営工学、運搬管理等の、生産工程の管理に関する様々な事項について、詳しく説明している。

  パンニュース 2013年 (平成25年) 8月25日
食品工場の工程管理 ■弘中泰雅著

 弘中泰雅の食品工場シリーズ第3弾「食品工場の工程管理〜モノと人の流れを改善し生産性を改善する!〜」が、日刊工業新聞社から発刊された。生産性向上のための工程管理に始まり、生産計画、生産統制、生産統制の手法、流れ作業・ラインン生産方式、マテリアルマネジメント、事例研究から構成。 食品製造業のほとんどを占める加工型労働集約型の食品製造業(製パン業を含む)の生産性は低い。

 すでにどうすれば食品工場の生産性を向上できるかについては著作があるが、今回はその続編として具体的方法論を表した。弘中氏は、食品工場の生産性の低い最大の要因として「どのように生産性を向上させたらいいのか?」の知識が足りないことに尽きるのではないかと指摘する。
 本書では生産効率を上げるには、原材料から生産までの流れ全体の適切な管理が必要、との観点から工程の仕組みの改革を訴えている。ライン生産、経営工学や、生産に付随する運搬管理など、効率的な生産について詳述している。
 A5判 212ページ、定価(本体2000円+税)

 ベーカーズタイムス 平成25年8月10日
食品工場の工程管理を発刊
 日刊工業新聞社(井水冶博社長)は7月25日、「モノと人の流れを改善し生産性を向上させる!食品工場の工程管理」を発刊した。著者はテクノバ(株)代表取締役の弘中泰雅氏。
 同書では、生産性向上のための工程管理、生産計画、生産統制、生産統制の手法、流れ作業・ライン生産方法、マテリアルマネジメントを解説し、座り作業からライン作業・作業分析による作業改善の事例研究も掲載していいる。
▽仕様=A5版、212ページ、モノクロ▽定価=2千円+税

カスタマ―ブックレビュー
Amazon.co.jpで購入済み
 生産性を改善するために必要な知識や考え方が初心者でも理解しやすいように書かれています。また、その知識や考え方を実際の現場でいかに活かせばよいか、豊富な写真や具体例と共に詳しく説明されています。本書を読んで改めて工場を見直すと、今まで気付かなかった改善点が見えてくると思います。現場管理職である私自身、第3章以降の内容が特に勉強になりました。
 日本生産管理学会賞を受賞した著者の前著「食品工場の生産管理」もさることながら、生産性向上を目指している現場管理職は是非読むべき本だと思います。本書の「はしがき」から著者の食品工場の生産性向上に対する熱意が伝わってきます。生産性向上で悩んでいる現場管理職のための応援本になると思います。

食品工場を構成する個々の要素を「木」に、食品工場における、必要な構成要素の全体像を「森」に例えると、本書は、
●木々の何本かについては、あるべき姿が分かっているが、森の全体としてのあるべき姿が見えていない、個別最適の視点になりがちな食品工場の管理者・従事者
●全体最適の視点で、業務システムを森として捉えて、全体像としてのあるべき姿を理解しているが、木々の詳細についてのあるべき姿についてはそれほど詳しくない、ITコーディネータ(ITC)の両方に役立つ内容になっている。

本書は、記述が広い領域にわたり、それなりの根気と集中力で、覚悟を決めて熟読しないと価値を読み取ることが難しいが、食品工場の現場にとっては、自分の知識の個別の正誤の検証ではなく、あるべき全体像の構成要素が何で、それに対して、今、できていることがどこで足らずは何か、やっていることは全体最適の観点から適切かどうかを知ることができる、また、ITCにとっては、このことに加えて、本書の随所にちりばめられた、著者の業務コンサルタントとしての経験に裏付けられたノウハウといった、いずれも食品工場の工程管理のIT化を支援する上で不可欠となることを知ることができる好著である。

目次

はしがき

 I 序章 生産性向上のための工程管理
1 食品工場は改善すべき問題が沢山残る宝の山

2 生産管理

3 工程管理とは

 (1)生産形態

 (2)生産方式

 (3)生産方式による工程管理のポイント

 (4)工程における品質信頼性確保

4 工程管理者の役割

5 工程計画

 (1)工程設計

 (2)作業設計

 (3)作業の流れと工程間物流設計

 (4)工程レイアウト設計 

 II 生産計画

1 生産計画とは

 (1)生産計画の基本

 (2)工程管理方式

 (3)生産計画の立案

2 日程計画

 1日程計画の区分

 2小日程計画

 3継続生産計画

 4繰り返し生産計画

 5総合日程計画

3 日程計画に付随する計画

 1工程計画

 2手順計画

 3工数計画

 4材料計画

 5外注計画

 4 競争力と生産計画

 

 III 生産統制

1 生産統制とは

 1食品工場における生産統制の状況

 2生産統制を行う前提

事例 歩数(万歩)計の活用

 作業移動距離の短縮

事例 工場通路の新設

 洋菓子工場の作業通路

 3生産統制の実行

 4生産統制の手続き

2 生産統制における進行管理の役割

 1 作業手配

 2 作業分配

 3 進度管理

 4 事後処理

 5 現品管理

 6 余力管理

 IV 生産統制の手法

1 作業研究(work study, IE)

 1生産性向上の基本条件

 2作業研究の歴史

 3作業研究の内容

2 方法研究

 1工場診断項目

 2稼働率

 3改善に対する抵抗


3 工程分析

 1工程分析の手順例

 2主体分析

 3付随分析

 4作業分析

1作業分析

事例 工程分析

 工程作業時間の曖昧さ

2標準作業と作業標準

3作業分析のポイント

4複合作業分析

 生産よもやま話 固定観念

5 動作研究

 1動作経済の原則

 2動作の特性と発達

 3動作分析手法

 

 V  流れ作業・ライン生産方式

1 流れ作業・ライン生産方式の必要性 

2 流れ作業の長所・短所

3 流れ作業の形態

事例 ライン化のルール
 ボトルネック工程の稼働率確保による効率化

4 流れ作業の工程管理上の特徴

5 流れ作業方式の種類と特徴

 1コンベア式

6 流れ作業の構成要素

 1流動加工

 2U字流れ作業

7 流れ作業の融通性

 1流れ作業の採否

 2不完全流れ作業の手法

8 工場自動化

事例 仕分け作業の流れ作業化

 洋菓子工場仕分け作業

 

 VI マテリアルマネジメント

1 運搬と運搬管理

 1マテリアルマネジメント

 2マテリアルハンドリング(マテハン)

2 運搬分析

 1流れ線図

 2運搬工程分析

 生産性よもやま話 台車について

 3カラ運搬分析

 4運搬稼働分析

 5運搬機能分析

 6物的制御と計画制御

3 運搬プロセス設計と自動化

1運搬プロセスの設計

2運搬プロセスの設備構成

3垂直方向の移動

4運搬自動化の推進

 

VII 事例研究

事例研究 座り作業からライン作業

 個人完結作業から流れ作業への変革

 事例研究 作業分析による作業改善

 治具による充填包装作業の効率化 

 索引

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